
今回のテーマは烏口腕筋です。
みなさんは烏口腕筋にどんなイメージがありますか?
上肢にあまり関わらないという方であれば「たしか二頭筋の近くにあったよね?」くらいかもしれませんね。
烏口腕筋はマイナーな筋肉に分類されるであろう筋肉です。
ですが、その機能はマイナーとは呼べないほどのものだと思います。
上腕二頭筋と同程度に考えることが肩関節治療をするために必須なのです。
烏口腕筋の基本
まずは何より筋肉の基本は起始停止を知るところからですね!

引用:http://lifesciencedb.jp/bp3d/
【起始】
肩甲骨の烏口突起
【停止】
上腕骨の内側面の中央部
ということで、烏口腕筋はその名の通り、烏口突起から上腕骨に起こっていることから、烏口腕筋という名称がつけられているわけですね。
人体の組織名称ではよく用いれれる名称のつけ方ですので、覚えやすいですよね。
で、この烏口腕筋は烏口突起から起こっているわけですが、ここには上腕二頭筋短頭も付着しており、この2筋は深くかかわりあっています。
というのも烏口突起からこの2筋 Conjoint tendonという共同腱を形成しているわけです。いわゆる兄弟的な関わりを持っているというわけですよね。
烏口腕筋は上腕骨内側に位置しており、円錐状の筋肉というのが特徴です。近位1/2に筋腹が位置しており、触診においてはこの部位で一番触りやすいでしょう。
烏口腕筋をさらに詳しく!
烏口腕筋をさらに詳しく見ていきましょう。
烏口腕筋は上腕の内側で比較的深層に位置しています。
というのは、烏口腕筋の前方には共同腱を構成している上腕二頭筋短頭が位置しているためです。また、さらに内側には正中神経や尺骨神経、上腕動脈など重要な組織が集まっており、外側には上腕二頭筋長頭が位置しているような状況です。
ここでエコー画像を見てみましょう。
烏口腕筋はオレンジの部分なのですが、内側には緑枠内の大円の上腕動脈、その隣の小円で正中神経、尺骨神経が位置しています。
上方には短頭があり、上腕骨に近い深部に位置していることがわかります。
次にみてほしいのは、筋肉の連結についてです。

引用:http://lifesciencedb.jp/bp3d/
烏口腕筋は前述したように、烏口突起から起こっています。
そのため、同じく烏口突起に付着する小円筋や上腕二頭筋短頭、さらには上腕筋や上腕三頭筋(筋間中隔)によって連結されています。
この連結からみて、非常に重要な筋肉でありそうな予感がしませんか?その重要性を感じる記事としては以前に投稿しましたよね。
読んでない方はぜひ!
これもほんの一部の話なのですが、烏口腕筋はほかにも多くの可能性を秘めています!
今後の記事でも紹介していこうと思っています。
今回はこれくらいにしたいと思いますが、烏口腕筋は肩関節の治療においてキーポイントになりかねないような筋肉です。
今回はそのほんの一部を紹介しましたが、少しは重要だなと感じられたと思います。