筋内膜 コラーゲン線維 拘縮
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はじめに

骨折や手術によって、長期間の固定化を強いられることは臨床において日常的に目にする光景ですが、拘縮という点にスポットを当ててみると、体の中では固定によってどのような変化が起こっているのでしょうか?

今回紹介する文献は、筋内膜コラーゲン線維に注目して長期間の固定によってどのような変化が起こるのか?固定肢位の角度が違うことによって変化にも違いが起こるのかを見た実験です。

このことからは、固定肢位の重要さはもちろんの事、固定が外されてからの理学療法ではどのようなことを注意しなければいけないのか?という点も読み解くことができます。

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筋内膜 コラーゲン線維 拘縮

関節の固定肢位の違いが筋線維、ならびに筋内膜コラーゲン線維に及ぼす影響

沖田 ,et al : 理学療法学 25巻第3 128 134 (1998)

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紹介する文献

この研究では、ウィスター系雄ラット8(1822週齢)によって、足関節を底背屈とした中間肢位群と最大に底屈した底屈肢位群の2群に分けて行われています。

前足部から膝関節上部までギプス固定し、固定期間後にそれぞれの群で筋内膜コラーゲン線維にどのような変化が起こったのかを見ています。

どのような変化が起こったか?

実験した結果では、「筋線維直径と筋節長の変化」「筋線維縦断面における微細構造の変化」「筋内膜コラーゲン線維の変化」を知ることができました。

筋線維直径と筋節長の変化として、特徴的だったのが短縮位で固定してしまうと、筋の廃用性萎縮だけでなく、筋節の長ささえも短くなってしまうということです。

また、筋線維縦断面における微細構造の変化からもそのことを裏付けるように、筋節の短縮やZ帯への影響などの変化を見ることができます。

筋線維の縦断面を見てみると、中間肢位群では固定側・非固定側でほぼ同様な正常像を見ることができるのですが、底屈肢位群では、ミオフェラメントの配列の乱れ、Z帯の断裂や蛇行、筋節の短縮などが観察されました。

私としては、筋内膜コラーゲン線維の変化がとても印象的でした。

骨格筋の弾性要素は、直列弾性要素と並列弾性要素に大別されるのですが、それぞれ直列弾性要素は、クロスブリッジや筋内膜の一部が関連していると報告されていて、並列弾性要素では、筋上膜・筋周膜・筋内膜など、いわゆる筋膜が主に関連しているとされています。

つまり筋内膜コラーゲン線維の変化が大きく起こるということは、長軸方向への伸張性に影響するのもあるのですが、主には短軸方向への影響が大きくなる可能性が考えられるのです。

固定すると肢位に関係なく筋内膜のコラーゲン細線維は肥大しており、不動が続くことによってコラーゲンに変化が起こっていることがわかりました。また、コラーゲン線維の短軸線維にも変化が起こっていたのです。

諸家によれば、単一筋線維の弾性は50N/㎠であるのに対し、コラーゲン線維のそれは105/㎠と言われており、筋の伸長というものは、コラーゲン線維の方が筋線維よりも先に伸長されると言われています。

そのため、筋内膜コラーゲン線維に影響があると筋の伸長性にも大きく響いてくることがわかります。

今回の結果からも固定や不動というものは、筋内膜コラーゲン線維に大きく影響することが分かったため、その予防や治療法を検討していくことが大切だと改めて理解することができました。

この記事の内容は、文献をあくまで紹介で、内容を掻い摘んで説明しているものなので、ぜひ本文を見ていただきたいと思います。

人それぞれ文献の理解の仕方も違うので、読んでみて自分はこう思った、こういったことにも役立ちそうというコメントをいただけると嬉しいです。

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