手根骨を知ろう!① 橈骨遠位端の骨形状
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手根骨を知ろうプロジェクト始動!

手は多くの骨によって構成されているのは皆さんもう知っていることだと思います。

ですが、理学療法士としてはなかなか手に関する勉強には行き届きにくいですし、なんだか難しいイメージ。

苦手意識を持っている人も数多くいるのではないかと思います。

 

ですが、理学療法士でもスポーツに携わることも増えてきていますし、何より日常生活で手を使うことは必須の項目といっていいほどです。

なので、手を知っていなければわからないこともたくさんでてきます。整形外科クリニックでは特にこの点についても知識を深めておく必要がありますよね。

 

今回からそんな手根の基礎から機能解剖に至るまでを説明していき、少しでも臨床での役に立つように・少しでも深くリハビリテーションを行えるように、手根骨を説明したいと思います。

 

手根骨は重要な骨?

手根骨は小さな8個の骨が一体となって機能しています。その機能は前腕と手指の間でのスペーサーとしての機能です。

 

手関節 骨模型

 

手根は橈骨手根関節という橈骨遠位端と近位手根列との間に位置している関節や、その関節よりも遠位に位置する手根中央関節という、近位の手根骨と遠位の手根骨とによる関節を中心に、屈曲や伸展、橈・尺骨の運動を行うことができます。

 

また、手根骨と前腕とは密接な関係があることから、回内・回外の運動にも関わることがわかっています。

これらのことを知っておくことは、理学療法評価や治療に対する大きなヒントになり、質の高いリハビリテーションを行うために、必要になります。

 

手根は手指の運動にも大きく関わることは、関節を形成していることからも予想できると思います。

手指は非常に緻密・繊細な運動が必要になりますが、それを実現するための筋肉は前腕に位置しているものがほとんどであり、手根の機能によってコントロールすることが必要になります。

このように、手根骨はその上下に位置する前腕や手指の運動と密接に関連しているため、手根を知ることで、前腕や手指の治療のヒントになりますので、しっかり学んでいきましょう。

 

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手根骨を知る前に

今回のテーマは手根骨ということなんですが、まず手根骨を知る前に、橈骨と重要な関節を構成することや筋腱などで密接な関係のある橈骨遠位端の形状を見ていきたいと思います。

ここには手の運動に関わる重要な形状が隠されていますので、しっかり学んでおきましょう。

橈骨遠位端背側の特徴

橈骨遠位端で特に特徴的なのは、背側面の形状でしょう。図を見てわかるように背側では骨の隆起が見られ、その隆起の両脇に溝が形成されています。この隆起は筋腱を触り分ける際に役に立つ、触診のヒントになる隆起です。

例えばリスター結節は短橈側手根伸筋の腱と長母指伸筋を区別する目印になり、ここを起点とすることで伸筋腱の触診を行うことができます。

 

リスター結節

リスター結節周辺の筋

 

橈骨遠位端掌側の特徴

橈骨遠位端掌側の特徴といえば、関節の安定性を向上させるための構造がしっかりしているところでしょう。

掌側面では、手関節には手根との関節包や靭帯があり、橈骨遠位端掌側が付着部となっていることから、手関節の静的安定性は手根と橈骨とを結ぶ組織によって成り立っているということがわかります。

 

橈骨遠位端の構造

橈骨の遠位はその外側を遠位に向かって突出している橈骨茎状突起があり、内側にも同じように遠位に伸びた尺骨茎状突起が突出しています。

橈骨形状突起は全体として突出しているため、突出した部位で手根骨を安定させることができるように構造的にもしっかりしたように見えますが、尺骨形状突起では、橈骨茎状突起よりも鋭く突出していますが、突出部位が小さくその部位で安定させることはできないように見えます。

このように関節の内側と外側をは橈骨・尺骨茎状突起によって構成されています。

 

橈骨の関節面では主に舟状骨と月状骨によって関節が形成され、それらの骨の圧迫力を受けることになります。

そのため、橈骨の関節面では舟状骨・月状骨の圧痕によって関節軟骨中に関節面が形成されることになります。

 

橈骨遠位端 関節面にある圧痕

 

橈骨遠位端の特徴で特に重要とするのが、橈骨の遠位端は角度を形成しているという点です。

橈骨遠位端は内側方向に向かって約25°の角度があり、構造上尺側偏移するような関節モーメントが働きやすいことがわかります。現に橈屈よりも尺屈の角度が大きいことがわかります。

橈骨遠位端 骨形状

 

また、掌側方向にも約10°の角度をなしています。背屈よりも掌屈の可動域が大きいのもこの点が関わっています。

掌側に傾斜しているということは、掌屈に力をかけた時の方が関節に軸圧がかかりやすくなりますので、背屈よりも掌屈で力が出やすくなるということも考えられます。

 

まとめ

今回は手根を学ぶに先立って、それと関わりが深い橈骨遠位端についてまとめました。

橈骨遠位端の構造は、日常生活で使いやすくするために傾斜がつけられていたり、筋肉の走行を変換させる構造をしています。

また、関節面でも舟状骨・月状骨の圧痕があり、これにより適合性がよくなっている構造であることがわかります。

これら傾斜や適合性を得ることで、しっかりと手根骨の軸圧を関節面にかけることができ、巧緻動作を可能にし、さらには力を発揮することができるのでしょう。

次回は手根骨についての記事を紹介していきます。

 

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