手根骨を知ろう!② 手根骨とは?
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はじめに

さて橈骨遠位の形状についての知識を深めたところで、いよいよ手根骨の詳細を学んでいきます。

①を読んでない方はこちら!

手根骨を知ろう!① 橈骨遠位端の骨形状は?
手根骨を知ろうプロジェクト始動! 手は多くの骨によって構成されているのは皆さんもう知っていることだと思います。 ですが、理学療法士としてはなかなか手に関する勉強には行き届きにくいですし、なんだか難しい

 

まず手根骨はよく知っているように手根骨は橈側から尺側方向の順で、近位手根列に、舟状骨、月状骨、三角骨、および豆状骨が配列されています。
同じように遠位手根列には、大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、有鉤骨が配列され、これらの骨が1塊のように構成されているのが手根骨とまとめられています。

 

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しかし、実際にはそれぞれは1つの塊ではなく、1個1個の骨または近位列・遠位列それぞれで違った作用を持っています。

手根骨 種類

 

手根骨近位列の特徴としては、比較的結合が緩くある程度の動きを許容するようになっていますが、これとは対照的に、手根骨の遠位列は強靭な靭帯で堅固に結合されています。

これは中手骨と関節をなし、指特有の巧緻動作を可能にするために、安定した基盤作りのためだと考えられています。

 

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それぞれの手根骨の特徴

それではそれぞれの手根骨についての特徴を以下に説明していきます。

それぞれの骨がどこに位置しているのか、またどのような形状をしているのかを知ることは、今後学んで行く靭帯・筋肉の解剖や手根骨・手指の運動を理解する上で非常に役に立つ知識となります,

 

舟状骨 – Scaphoid –

舟状骨はその名の通り、その骨が舟の形に似ていることからその名がつけれらています。

舟状骨 掌側

舟状骨 掌側

舟状骨 背側

舟状骨背側

舟の本体(舟底部)は橈骨の関節面上に乗っているようになっていて、その反対側で舟の積荷部分に当たるところは、有頭骨頭が入り込み関節を形成している。
このように上下で関節を形成する舟状骨ですが、実は手根骨と橈骨に接っすることで全部で4つの関節を形成しています。

 

舟状骨には、極(pole)と呼ばれる2つの凸面があります。

舟状骨 極

近位極は橈骨の舟状骨関節面と結合し、橈骨手根関節の大部分を締める存在となっています。また、舟状骨の遠位極は軽く曲面を形成し、大菱形骨および小菱形骨と結合するため2つの関節を形成する重要な部位となっています。

また、 舟状骨には大きくて鈍い結節が三角骨と関節を形成する付近にあるのですが、この結節部分は遠位極から手掌方向に突き出しているのが特徴です。ちなみに舟状骨結節は手掌基部の橈骨側で触れることができます。

 

次に遠位内側面を見てみると、この部位は深くくぼんでいて、そこには有頭骨の外側半分が入り込んでいます。内側にある関節面は月状骨と接しています。

 

舟状骨と橈骨は、手根からの力が直接伝わっていく位置にいます。これにより力を発揮することや巧緻動作が可能となるのですが、その反面、手関節背屈の橈側偏位している肢位で転倒すると舟状骨を骨折を起こしやすいというデメリットもあります。

舟状骨の骨折は、その他の手根骨の骨折に比べてはるかに高頻度で発生しますし、高齢者の骨折としても多いので注意が必要で、その骨折が舟状骨の近位極で生じてしまうと、この部位への血液の供給が途絶えるか、極端に少なくなってしまうという影響で、治癒しにくいです。また関連して、月状骨の骨折・脱臼、大菱形骨や遠位橈骨の骨折など周囲に隣接する骨との障害を合併してしまうことも少なくありません。

 

月状骨 -Lunate-

月状骨は、近位手根骨列の中心部に当たる骨で、舟状骨と三角骨の間にくさび状にはさまっているのが特徴です。いわば石でできた橋の一番中心に位置する石と同じですね。

舟状骨と同じように、月状骨の近位面は凸となっており、橈骨の凹と適合するため、舟状骨とともに橈骨と関節を形成している。

月状骨の遠位面は深く窪んでいて、その形状が三ヶ月形をしています。この月状骨の凹面が、有頭骨頭の内側半分と有鉤骨尖端の2つの骨の凸面と結合し関節を形成しているのです。

 

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三角骨 -Triquetrum-

三角骨は月状骨のすぐ内側にある骨で、手根骨近位列の最も尺骨側に位置しています。

三角骨の外側面は長く平坦で、同じように長く平坦な表面を持った有鉤骨と関節している。同じような形成をしているので適合しやすくなっています。

三角骨 長くて平坦な関節面

 

豆状骨 -Pisiform-

豆状骨はその名の通り「豆のような形をした」という意味の骨で、三角骨の賞側面に乗っかるようにして緩く結合しています。

この可動性に富む骨はいくつかの筋肉や靭帯の付着部位となっていて、見た目以上に重要なる骨でもあります。しかし、手根の運動学上で豆状骨を見ても、そこに意味のある機能はほとんどありません。

 

有頭骨 -Capitate-

有頭骨は手根骨の中で最も大きく、手根の中央部を占めています。有頭骨はその名の通り大きな頭部を持っていて、舟状骨と月状骨によって作られる深い陥凹部に入り込むようにして連結しています。

有頭骨の内側と外側には、有鉤骨と小菱形骨が位置していますが、それらは短くて強力な靭帯によって有頭骨を固定しているため非常に安定しています。

有頭骨の遠位面を見てみると、第3中手骨の基部と強固に結合していますが、第2および第4中手骨とはさほど強く結合していません。

 

大菱形骨 -Trapezium-

大菱形骨の近位面は、舟状骨と連結するためにわずかに凸状になっています。とまあそれはいいとして、大菱形骨で特に重要なことが、遠位面が鞍状になっているということです。この鞍状の部分によって、第1中手骨の基部と連結し、関節を形成しています。この形状によって形成された手根中手関節は、母指の幅広く運動することを可能にしているのです。

 

大菱形骨の掌側を見てみると細く鋭い結節があるのがわかります。この結節および舟状骨の掌側結節が、屈筋支帯外側部の付着部となっています。掌側結節のすぐ内側は、橈側手根屈筋腱の明瞭な溝となっている。

大菱形骨と屈筋支帯

 

 

小菱形骨 -Trapezoid-

小菱形骨は他と比べて非常に小さい骨で、有頭骨と大菱形骨の間に位置して、その間でしっかりとした楔の役割を果たしています。

大菱形骨と同じで、舟状骨と連結するため、わずかに凹状になっていて、これにより関節を形成しています。

少量脛骨は、第2中手骨の基部と比較的堅固な関節を形成しています。

 

有鉤骨 -Hamate-

有鉤骨という名前は、賞側面から突き出した大型の鉤状突起にちなんだものだと言われています。

有鉤骨の遠位面は、第4および第5中手骨と2つの骨の基部と連結しています。この第4・5の関節では、手を尺側に動きやすく稼働するようになっています。

 

屈筋支帯に関連して、橈側では三角骨と舟状骨の結節が付着部だと言いましたが、尺側では有鉤骨鉤と豆状骨が付着部になっています。

 

手根菅 -Carpal Tunnel-

この記事の最後に度々出てきました手根管についてです。

手根骨の掌側では凹状になっていて。この凹みを覆っているのが、屈筋支帯(横手根靭帯)です。この組織は結合組織性の厚い線維性の帯によって構成されています。

 

この靭帯は掌側の手根骨状にある4つの盛り上がった部位である、尺側にある豆状骨、有鉤骨鉤、橈側にある舟状骨結節、および大菱形骨にそれぞれ付着しています。

屈筋支帯は、手に存在する多くの筋、長掌筋および手根屈筋の主要な付着部位となり、また、正中神経や手の外在筋腱などの通路として重要な役割をになっています。

 

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まとめ

今回は手根骨について学んでいきました。

今まで1つの塊のようなものであって、あまり運動に関わるのかがはっきりしなかった手根骨ですが、このように見て行くといかに手の運動に関わっているのかがわかります。

それぞれの部位によって関節の構成様式も異なりますし、運動に合わせた骨形状をみることができました。

特に有頭骨と月状骨、大菱形骨と第1中手骨、有鉤骨と第4、5中手骨といった部位は運動で重要な役割をになっているので、今後も注目してみていきましょう。

 

次回はいよいよ関節構造や靭帯の話になっていきます。

 

 

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