
胸郭について
胸郭といって一番最初に思い浮かぶものは何でしょうか?
以前の私であれば、『呼吸』と言っていましたが、今では『土台』と答えるでしょう!
なかなか面白い胸郭について解説していきます。
胸郭を構成するのは脊柱と胸骨・肋骨です。
脊柱は頚椎・胸椎・腰椎・仙骨で構成されており、その中で胸郭を構成するのは胸椎です。
胸椎は12個の椎体からなり、頚椎や腰椎より明らかに数が多いことがわかります。
数が多いということは、それだけ各関節の動きの和が大きくなるというものですので、大きな動きを有する関節なように感じますが、思った以上には動きが大きくはありません。
なぜかというと脊柱の中の胸椎だけに、肋骨が関節しているからなのです。
12個の胸椎には、それぞれ12対の肋骨が関節しているのです。
引用HP:https://www.bartleby.com/107/25.html
頸椎と腰椎は前弯していますが、後弯しています。
そのため、前屈が得意な動きであることがわかります。
後屈でも大きく動かすことができそうですが、制限されることが多いです。
それは肋骨による影響が大きいためです。
胸椎は肋骨とにより胸郭を形成すると言いましたが、肋骨と肋骨との間にも筋や靭帯などの結合組織により埋められているため、思っているほど開くことができません。
しかも、肋間は硬くなりやすく、さらに伸展が不得意になりやすいという特徴もあります。
なぜ硬くなりやすいのでしょうか?
なぜ胸郭が硬くなりやすい?
それは、人は猫背姿勢になりやすいからです。
なぜ猫背姿勢になりやすいかも考えなければいけませんが、その話はまた今度にします。
人は猫背姿勢になると胸椎の屈曲、つまりは後弯を強めることになります。
そうすることで、肋骨は狭窄していき、胸郭の広がりがなくなってしまいます。
そうした姿勢が続けられることで、肋間や腹部の結合組織が短縮していき、伸展制限が起こります。
また、伸展制限だけではなく、常に猫背姿勢を強調されるようになり、頭部前方位や腰椎の過前弯や脊柱起立筋の過緊張、肩関節のインピンジメントなど多くの負の連鎖へと続いていくため、非常に恐ろしいものになります。
それらを知るためには、まず肋骨がどのように動くのかを知る必要があるでしょう!