肘屈曲 肩屈曲
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投稿日:2018年9月3日

こんにちは。いよいよ9月に入り、朝と夕方の気温が少しずつ落ち着いてきたのかなと、思っているのですが気のせいでしょうか?あいかわらず昼間は暑いですけどね。

さて今回は、先日新人の理学療法士に質問を受けた内容を話そうかなと思います。

新人の肩関節に対する質問

質問はこうでした。

「この患者さん、肘を伸展すると自動で屈曲できないんですけど、肘を伸展すると屈曲できるようになるんです。何が考えられるのでしょうか?」

 

なかなかいい質問だなと思いました。考えられることは様々あるのでしょうが、いったい何でしょうか?

そもそもこの患者さんの状態が、自動で屈曲するときに、肘伸展位であればスムーズに挙上できるのですが、肘屈曲位だと肩峰下でインピンジメントを起こしてしまいグリグリと音がするという状況。不思議ですよね。

 

はじめは筋肉の影響かなとも考えました。例えば上腕三頭筋は屈曲することで伸張され、関節下結節に付着することから、屈曲時に影響がある?といった感じです。

ですが、挙上に影響するほど筋肉の伸張性が低下しているのであれば、肘の屈曲可動域にも問題が生じるはずです。しかし、肘には問題なし。

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肩関節の回旋にも注目!

ん~、なんだろう!というところで新人理学療法士が行き詰まっていたようです。肩関節の難しさを痛感しているようですね。

確かに、可動域制限は筋肉影響が多くの場合当てはまりますし、逆にそれ以外の問題だと新人理学療法士では難しいのだと思います。でも答えは案外単純だったりします。

 

ここで注目するべきは、肩関節の回旋がどうなっている?ということです。この患者さんの肩屈曲80°時の肘伸展時と屈曲時には下図のようになっていました。

肘伸展 肩屈曲 肘屈曲 肩屈曲

これを見てわかるようであれば、今回の問題も解決したようなものです。どうでしょうか?何か屈曲・伸展での違いに気づきますか?肩関節の回旋に注目することで見えてくるはずです。

 

実は肘関節の屈曲では肩関節が外旋傾向にあって、肘関節屈曲では内旋傾向にあったのです。みなさんご存知の通り肩関節の屈曲では、肩関節が外旋を行いながら挙上していくことで、大結節が肩峰下に衝突することがなくなります。しかし、内旋位にあると大結節が肩峰下に衝突してしまいます。

肘伸展 自然に外旋

肘伸展での肩屈曲では肩の外旋傾向が強かった。

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大結節の通り道

ここで大結節の通り道があることを教えてくれる図を紹介します。立花孝先生の肩関節障害の画像をお借りしましたが、これは、肩関節が挙上する時の、屈曲・外転・肩甲骨面それぞれで大結節がどこを通るかを示しています。

画像出典:立花孝先生の肩関節障害より

例えば、外転であればposterolateral pathを通り、肩甲骨面ではneutral pathを通ります。そして、今回のテーマである肩関節の屈曲のときには、anterior pathを通ることになります。

 

ではどのようにすればanterior pathを通ることができるのかというと、まず屈曲初期には内旋させることで大結節を移動させます。そして挙上角度が増すとともに、肩関節を凱旋させてくることで三角の頂点にあるpostの位置に持っていきます。

このことからわかるように、肩関節は屈曲とともに外旋が伴わなければ挙上できないということがわかります。

まとめ

これらのことから、新人が疑問は肩関節の回旋が、肘屈曲時と伸展時でことなっていたため、自動挙上にも変化が起こっていたということになります。この患者さんは肘を屈曲すると内旋にはいりやすく、挙上するときにも外旋が起こりにくい状況になっていました。

 

これで原因が予想できたのですが、肩外旋しないのが患者さんの癖なのか、肩が痛くなってこうなったのか、筋力低下により外旋するのが難しいのか(肘屈曲位だと前腕の重みで内旋しやすくなる)などの出来なくなった理由を考えて、評価を行うことで更に詳しい患者さんの状況を把握していくことが必要になります。

 

このように肩関節ではちょっとしたことで肩関節を動かすことに不利な状況に陥るという特徴があります。そこも肩関節の理学療法の難しさなのだと思います。

ですが、解剖をイメージして、運動を理解する、そして患者さんに実際起こっていることを正確に把握することで原因がわかってくるはずです。

これからも、疑問を持って肩関節をマスターしていきたいですね。

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